ひとりごと。

ジャニーズWEST桐山照史くんのファンがだらだらとひとりごとを零す場所。

【100%ネタバレ】ブラッドブラザースを観劇して

ブラッドブラザース 2/14 18時公演@新橋演舞場

観てきました。
 
Twitterだとフォロワーの皆さんにネタバレを垂れ流すことになりますし、私が個人的にこういうネタバレは自分で観劇するまで見たくない派なのでこちらに零すことにします。
 
******
 
 
 
思っていた以上にネタバレになったので(あらすじになっちゃった)、ほんとまだ観てない方は見ない方がいいです。
 
 
 
******
 
 
 
 
 
 
舞台は2幕に分かれていて、1幕は母親の話からマイケル(ミッキー)とエドワード(エディ)の幼少期まで。2幕は少年から青年へ移り変わるミッキーとエディが描かれています。
 
 
  • 1幕
ジョンストン夫人は身籠りやすい体質で、既に多くの子供を産み育てていました。また妊娠したのか、と夫はついに家を出て行き(お前が妊娠させたんだろと思いますが)、お腹に子供を宿したまま女手ひとつでなんとか生活していました。そんなある日、母は新たな仕事を見つけます。裕福なライオンズ家の家事手伝い。ライオンズ家には子供がなく、夫婦二人では持て余すくらいの豪邸で生活をしていました。そんな中、ジョンストン夫人のお腹の赤ちゃんが双子であることが判明し、…そこからこの物語は始まります。
 
かねてから養子でも良いから子供が欲しかったライオンズ夫人は、双子を一人分けて欲しい、と縋り付きます。経済的な問題から確かに2人を育てることは厳しかったジョンストン夫人、悩みながらも必ず会わせてもらうことを条件に一人を譲ることを約束します。
 
ライオンズ夫人が選んだのはエドワード、ジョンストン夫人に残されたのはマイケル。これは2人の母親だけが知る秘密でした。
 
7歳になったミッキー。素直でやんちゃ、元気いっぱいのお調子者だけど少しだけ臆病な子。一方エディは純真無垢で大人しく、友達も少ない子でした。そんな2人が偶然出会い、ミッキーはエディに、エディはミッキーに憧れ、会ったその日に親友になります。血と血を交わし、兄弟の契りを結ぶ2人。
 
2人が出会ったことを知ったライオンズ夫人は、田舎へ引っ越すことを決めます。ミッキーと離れたくないエディは、引越しの前日にジョンストン家を訪れ、ジョンストン夫人から幼い頃のミッキーと夫人の写真が収められたロケットを受け取ります。2人だけの秘密、と約束を交わして。
 
一生の別れ、かと思いきや、ジョンストン家一帯の家屋が壊されることが決まり、田舎に用意された家へ引っ越すことになり…。
 

  • 2幕
14歳になったミッキーとエディ。オールバックでキメたミッキーは正にプレイボーイ!(笑)一方エディはキリスト教の男子校に通う真面目な男の子。端正な顔立ちに上品な言葉遣い、そしていつも身につけているロケットのせいでいじめられることも。
 
幼馴染のリンダはミッキーに惚れ込んでいて、熱烈なアピールを繰り返しますがミッキーはなかなか応えようとしません。好きなのに、なんて言ったらいいのかわかんない!って思春期のアレです。見た目プレイボーイなのに中身はシャイなミッキーのまま。そんな中、再会を果たしたエディと再び意気投合し、ミッキー、エディ、リンダの3人で遊ぶようになります。
 
14歳から17歳、そして18歳になり、すっかり大人になった3人。相変わらずリンダに想いを告げられないミッキーの背を押したのは、エディでした。そのお陰でミッキーはリンダと晴れて結ばれ、その内リンダが身籠り、結婚することに。実はエディもリンダに惹かれていて、僕があいつなら今すぐ君に愛してると伝えるのに、と歌うシーンが切なくてとても印象的でした。
 
エディは大学に入学、ミッキーは就職し、それぞれの人生を歩む2人でしたが、ある日クビを告げられるミッキー。仕事を探して街を彷徨いますが、お前にやる仕事はない、と断られるばかり。この辺りからミッキーは目の前に格差社会の現実を叩きつけられ、否が応でもオトナになっていきます。大学から帰ってきたエディは昔のまま、無邪気で、綺麗で。遊ぼうぜ兄弟、と誘うエディでしたが、ミッキーはそれを突き放し、自分とは全く違う世界で生きるエディの存在に耐えられなくなります。
 
その日、兄からいい仕事がある、と持ちかけられたミッキーは、疑いの気持ちを抱きながらもリンダのためにと兄についていきます。しかしそこで、兄は人を撃ち殺し、そしてその罪は、全てミッキーが被ることに。
 
刑務所に入れられたミッキーは、自分の状況が理解できず混乱し苦しんでいました。そこで処方された、抗鬱剤。これを飲まないと、治らない。その思いから、段々と薬に依存し始めるミッキー。表情も乏しくなり、リンダに対しても心を閉ざし、明るく陽気なミッキーはもうそこにはいませんでした。
 
刑期満了し、家に戻ったミッキーでしたが相変わらず薬からは離れられませんでした。薬を辞めて欲しいと願うリンダですがその願いはなかなか叶わず、ふと昔の楽しかった記憶が蘇ります。彼女が連絡をしたのは、エディでした。エディは昔と変わらず優しく、そしてリンダを想い続けていました。
楽しそうな2人の姿を見かけてしまったミッキーは銃を握り締めて走り出します。エディのいる、議会へ。
 
エディの元へ辿り着いたミッキーはすっかり錯乱した様子で銃を突き付け、責め立てます。
 
俺にはもう、リンダしかいない。
俺から全てを奪うのか、俺たち兄弟じゃなかったのか?
 
エディと話す内に少しずつ平静を取り戻すミッキーでしたが、そこに到着したジョンストン夫人から真実を聞かされます。どうか撃たないで、あなたたちは双子の兄弟なの、と。
 
周りを警察に囲まれ、実の母親から自分たちの出生の真実を聞かされ、追い詰められたミッキーから絞り出された言葉は、
 
『どうして俺を渡さなかったんだ』
 
でした。自分がライオンズ家に貰われていたら、エディのように綺麗なまま、幸せに過ごせていただろう。エディへの憧れと、リンダへの想い、母親への想いで今にも壊れてしまいそうなミッキーは、ついに引き金を引きました。
 
同時に2人を取り囲む警察官も引き金を引き、その場に倒れ込む双子の兄弟。
 
2人は同じ日に生まれ、同じ日に死んだ。
 
悲しく切ない、双子のお話。
 
 
 
 
 
確かにハッピーエンドではなかったけれど、心に残るお話でした。悲しくて、切なくて、とても愛しくて。まだ観に行ってない方はぜひ、劇場に足を運んでみてください。素晴らしい舞台です。