ひとりごと。

ジャニーズWEST桐山照史くんのファンがだらだらとひとりごとを零す場所。

ブラッドブラザースについて

だらだらと語ります。
ネタバレありまくりです。


“嘘だと言って 作り話だと”


主にラストのマルシアさんの歌声が離れないままここ数週間を過ごしております。そうです、ブラブラロスです。

この舞台、色々とヤバイですね。語彙力なさすぎてあれなんですけど、ほんとやばいっす。観る人観る人を引きずり込む舞台。そして観れば観るほど、もっと観たくなる舞台。こんなの知りませんでした、わたし。



個人的見解を、零しておきます。



兄弟の契り。

“僕はいつも必ず、兄弟を守る。
そして、味方になる。
そして、お菓子を分ける。”

この契りの言葉が、ラストシーンまでずっと頭に浮かびました。

エディは最後までこの契りを守ろうとしていた。ある意味、子供のまま。
ミッキーはエディよりも早くに大人にならなければならなかった。大人になりたいと思っていた、大人になったと思っていた。だけどきっと、中身はエディと同じ子供のままだった。

2人は最初からお互いに憧れてますよね。14歳のエディが再会の時ちょっと悪ぶってるように見えるのはわたしだけかな(笑)ミッキーの真似をしてるのかなあ、と感じました。悪態をつくのも、ミッキーへの憧れだったのかも。と。

“なれたらいいのに、あいつに。”

お互いそう思っていて、きっとお互い自慢の親友であったはず。それが1人の女の子の存在で少しずつ、変わってゆく。

リンダ。
幼い頃からミッキー一筋で、本当に本当に可愛らしい女の子。(未だにまりゑリンダが観れていないのでなっちゃんリンダの印象のみですが。。)

18歳の9月(クリスマスまで3ヶ月、なので)、エディが大学に経つ前日にようやくリンダへの恋心が明らかになりますね。

あの歌、大好きです。
“もし僕があいつだったら、とっくの昔に言ってるよ。君を愛してるって。…もし僕が、ミッキーだったらね!”

“でも僕は言わない、君が好きなんて。愛して欲しいけど…。”

“僕は…ミッキーじゃない。”

あーーーー切ない(ノ∀;`)なにこれ切ない(ノ∀;`)ってなるシーンです。
そしてこの後、ミッキーを促してリンダに告白させるんですよこの子。なにこの天使。

この時点でミッキーはエディの恋心に気付いていたのかなあ、というのは疑問。
リンダのほっぺにキスさせるのは阻止していたし、うっすら気付いてはいたのかも?でもようやく手に入れたリンダを独占したいだけだったのかもしれないなーとか。考える。




母ちゃんに結婚の報告をするシーンで“クリスマスより前に結婚したいんだ!”と、敢えてエディが帰ってくるクリスマスを示すのは…うーん、なんだろう。
「エディを驚かせたい」なのか、「エディに取られる前に自分のものにしたい」なのか。どっちにしてもエディを意識しているのは明らか。

この頃には互いの環境の差については身に染みて分かっていただろうから、少しでも優位に、というか、カッコイイ自分をエディに見せたかったのかなあとも思う。結婚して、大人になった自分。ああ、これが私的に一番しっくりくるかもしれない。

もう一つこのシーンで印象的なのは、母ちゃんがミッキーに“私と一緒にいて何もいいことなかったよね。ごめんね。”って言うところ。このあとね、ミッキーは笑顔でこう言うんです。

“バカなこと言わないでよ!あったに決まってるだろ?母さんサイコーだよ!”

これが最後にガツンとクるやつです。



さて、結婚をしてすぐにミッキーは失業します。失業手当でなんとか生活をする日々。仕事を求めても、門前払い。“大人びているが、世間知らず”なミッキー。

“仕事はないよ、お前にやる仕事はない”

これが格差社会の現れ、というか。まだまだ若くて働けるミッキーでさえも門前払いなんだもんなあ。



そして訪れたクリスマス。
始まる鬱展開…。



仕事も希望もなく日々を過ごすミッキーの前に戻ってきた親友。新しい生活を満喫し、何不自由なく暮らす親友。

自分には何もなくて、エディは何でも持っている。

きっと惨めだったんでしょうね、自分が。本当ならエディに奢ってやれるくらい稼いで、好きな人と結婚をして、子供も授かって。“君ってサイコーだよ!”と言われる自分でいたかったんだろうなあって。
だけど現実はそうじゃなかった。

“お前は本当に馬鹿たれだよ”

少しでも大人でいたかった、背伸びしたミッキーの精一杯の言葉。

だけどエディは、兄弟の契りを守ろうとするの。兄弟を“守り”、“味方になり”、“お菓子”、つまりミッキーが欲しいものを分けようとする。

“金ならあるよ、たくさん持ってる!…少しやるよ、ほら。”

“…バカにすんなよ!お前の金なんかいらない、欲しくねえよ!”

必死で大人になろうとするミッキーの、精一杯の強がり。惨めな自分への憤りとか、恵まれた親友への妬みとか。自分で処理しきれずに爆発した、感じ。

“行けよ、早く行けったら。…俺に殴られる前に行っちまえよ!”

エディを無理矢理帰させたあと、ミッキー目元をごしごしするんですけど。それもまた切なくて。そしてこのシーンのBGMがマイベストフレンドっていうのもまた泣けるポイント。

“なれたらいいのに、あいつに”

帰ってきた親友にこんなことしたかったわけじゃなくて。ただただ、3ヶ月も仕事が見つからない不安やエディへの憧れ、リンダを幸せにしたい気持ちとか…ぐちゃぐちゃになってしまったんだろうなあって。

そして、その日。

“なんだよお前、今の姿は。何にもねえ、おふくろと同じじゃねえか!…なあ、いい仕事があるんだよ。見張ってるだけで50ポンドだ!”

サミーにそそのかされて強盗の片棒を担いでしまったミッキー。
この、50ポンド。ライオンズ夫人がジョンストン夫人に、手切れ金として叩きつけたお金と同額なんですよね。これもなんか意味あるのかなあ、と。ぼんやり。

“撃った!人を撃った!”

指をクロスして10秒数えたら、誰も死なずに済んだ。でもそれは、子供の頃のゲームの話。

ミッキーは混乱したまま逮捕され、そして刑務所へ。(サミーがどうなったのかはどこにも描かれていないし、これ以降サミー出てこないですよね?どうしたんだろう。逃げ延びたのか、もしくは死刑とか。殺人、だし。それもあってミッキーの混乱、錯乱は続いたのかなあとか)
錯乱状態のミッキーに、医者は“鬱病です”と“簡単に”診断を下す。そして処方された薬と、医者からの“これを飲めば治る”の言葉に縋り付いたミッキー。

わたし、ミッキーは鬱病じゃなかったんじゃないかって思ったんです。本当は違った。リンダが言うようにただただ落ち込み、混乱していただけだった。だってミッキーは大人びているけれど、世間知らずな子供だから。理解が出来なかった、受け入れられなかった。失業し、愛する家族も満足に養えず、少しの希望を見出した仕事は失敗に終わり、兄は人を撃ち殺し…そんな現実を受け入れ、立ち向かえるほど大人ではなかった。ただそれだけだったんじゃないかなあ。

だけど医者は鬱病の薬を処方した。
当時の薬って今よりも強力なものだったんですってね。囚人を大人しくさせるためとか、そういう目的でもあったのかも。そんな薬にミッキーは縋り付き、そして感情を失う。まるで“透明人間”のように。

リンダは、それでもミッキーを愛していて。どうにか薬を止めさせようとする。

“あたしにはアンタが必要なの!愛してんのよ!でもミッキー、アンタが薬を飲んでる時は駄目。まるでそこにいないみたい…。”
“ああ、そうだよ。そのために飲んでんだ。透明人間になるためにな。…さあ、リンダ。薬くれよ!”

このやり取りを観る度に涙が出ます。
こんなにもリンダはミッキーを求め必要としているのに、ミッキーは消えてしまいたいと思っている。未だに現実を受け入れられていない。透明人間になるために、ミッキーは薬を求めてしまう。

だけどそんなミッキーも、少しずつ理解し始めてはいましたよね。だって薬、止めようとしてたもの。身体が震える度に無意識に薬へ伸びる手を、自分で押さえ込んでた。何度も。現実に向き合おうとしていた。

そんな時に、エディと一緒にいるリンダを見つけてしまう。

一瞬で、正気を失った。
“殺してやりてぇ”と思った。
親友であり、兄弟でもあった、エドワード・ライオンズを。


数年ぶりに対面するエディとミッキー。ミッキーの右手には、拳銃が握られている。

“俺たち、友達じゃなかったのか?兄弟じゃなかったのか?”

“俺は何にも持ってない。俺にはもう、一つしかない。…リンダだ。”

“リンダだけは手離したくない。だから俺は考えなきゃならなかったんだ。でも、もう遅すぎた。”

“俺はまた、考え始めたんだ。…お前とリンダも友達だったんじゃないか、って。リンダも、あの子も、全部お前のもんなのか?なあエディ!そうなのか?!”

“そんなわけないだろ!!”


あのクリスマスの日、兄弟なんかじゃないと否定したのはミッキーなのに。今度はミッキーから2人は兄弟だってことを強調して、確認して。あのクリスマスの日の言葉はやっぱりミッキーの強がりで、心の奥ではずっとそう思っていたのかなあって。それとも、そう思っていたかったのか。

ミッキーの言葉をただ聞いていたエディが、初めて声を荒げるところ。きっとエディはなんでも自分が持っているとは思ってなくて。愛するリンダは自分を頼ってくれているけど、それもミッキーのため。リンダの想いを身に染みて分かっているからこそ、やるせないね。

エディとリンダが友達だから、あの子はエディのものっていうのは…どういうことなのかなーって、未だにスッキリしない部分です。暗に浮気を疑っているっていうのは分かるんだけど、“友達”っていうのがね。友達=兄弟で、兄弟はお菓子を分かち合うもので…それが子どもってことなのか。うーん、この辺はもうちょっと考えたい。

この後、少しだけ昔のミッキーに戻るんです。はっとした顔をして、ゆっくり周り(客席)を見回して、笑う。昔のように。

“…俺、なにしてんだ?”

この瞬間が、とても切なくて。

“俺、お前を殺そうと思ったんだ…これに弾が入ってるかも知らないのに。”

バカだな、って言うみたいに笑って、手にした拳銃を見下ろすミッキー。何もかも元に戻ってくれそうな気がした。

そのまま拳銃から手を離して、エディと2人ハグをして、そんなラストだったら良かったのに。


到着した、ジョンストン夫人。


“撃たないで!ミッキー!”

“2人は兄弟なの!”


この時点ではまだ、エディもミッキーも兄弟の契りのことしか浮かんでなかったんだと思う。ああ、そんなの分かってるから、って顔をして聞いてたから。

母は続ける。


“ミッキー、あなたには双子の兄弟がいたの。2人は育てられなかった。…だから、1人譲ることにしたの。”


パッと顔を上げる2人。
少し目を見開いて、母親を真っ直ぐ見つめるミッキー。
視線を揺らして、困惑した様子のエディ。

2人は全てを理解した。

ミッキーの眼差しが強くなり、少し、涙が滲む。罪を告白した母親に向かって、涙を堪え発する言葉は、真っ直ぐ胸に刺さる。


“…お前。”


“…お前、…なんで俺を渡さなかった?”


“…そうしたら俺がこいつだったかもしれないのに!”


鳴り響く銃声。
同時に倒れる2人。


“バカ言わないでよ!あったに決まってるだろ?母さんサイコーだよ!”


母さんの子供で良かったと笑っていたミッキーの、最期の言葉がとても重くて。お前、の一言がとても冷たくて。悲しい、だけでは言い表せない。
そしてミッキーの最期の言葉を聞いたエディの切ない顔。エディも同じことを思ったのかもしれない。なれたらいいのに、ずっとそう思っていた相手だっただろうから。

どちらが不幸か、なんて議論をする気はないけれど。エディはミッキーが思っているより幸せではなかったんだろうな、とは思う。もう少し、ミッキーに考える余裕があれば。その余裕を与えられる環境であったなら。2人はずっと友達でいられたかもしれない。




なんかやっぱりあらすじになるのは何故…不思議…。とりあえず二幕は怒涛の展開で、場面場面でゆっくり考える余裕がないので、一旦まとめてみたかったのです。

あと3日で終わるなんて嘘だろ…悲しくて寂しくて堪らんです。

映像化!映像化!!(反響)